よくある症状

Common symptom

下記の症状は一例です。正しくは診断の上、適切な処置をご案内させて頂きます。

ガングリオン

(1)症状
関節の周辺に米粒大からピンポン玉くらいの腫瘤ができます。手を使いすぎると腫瘤は大きくなることがあります。手首の甲にできる事が多く、軟らかいものから硬いものまであります。
不快感がありますが、多くの場合強い痛みはありません。ただし、神経が圧迫されると痛みが出ることもあります。

(2)原因、病態
関節包(関節をつつむふくろ)や腱鞘の変性により生じます。

(3)診断
注射器で腫瘤を穿刺し、内容物がゼリー状ならガングリオンと診断します。小さいものは、超音波検査が有効です。

(4)治療
ガングリオンは、放置しても心配はありません。大きくなるもの、痛みが強いもの、神経が圧迫される症状が出るものには治療が必要です。注射器で内容物を吸引したり、繰り返し内容物が溜まる場合には手術により摘出することもあります。

マレット変形(槌指)

(1)症状
手指の第1関節が曲がったままで腫れや痛みがあり、自分で伸ばそうとしても伸びません。しかし手伝ってやると伸びます。(他動伸展可能)

(2)原因
突き指の一種で、ボールなどが指先にあたったとき起こります。

(3)病態
2つのタイプがあります。
①腱断裂:指を伸ばす腱が切れた状態
②骨折を伴うもの:腱がついている骨の一部が剥離した状態

(4)診断
レントゲン写真で骨折の有無を確認します。

(5)治療
病態や骨折後の経過期間によって治療は異なります。腱断裂では一般に保存療法が行われます。骨折を伴う場合は手術療法を必要とすることがあります。

変形性股関節症

主な症状は歩行時の脚のつけ根の痛みです。
症状が進むと変形が生じ、股関節の動きも制限され、靴下履き、和式トイレが困難になります。

【初 期】 立ち上がり、歩き始めに脚のつけ根の痛みが生じ、歩いていると軽快してきます。
【進行期】 歩行時や動作中に痛みが強く、靴下履き、足の爪切り、正座や和式トイレなどが困難になります。
【末 期】 脚のつけ根が伸びなくなり、ひざ頭が外を向くようになります。また左右の脚の長さも違ってきます。

■原因
先天性股関節脱臼の後遺症、臼蓋形成不全症、あるいは外傷が主なものです。
はじめに関節軟骨がすり減り始め、最後には骨の変形をきたします。

■治療
【日常注意】 ダイエットに心掛け、日常の歩行では杖をつきます。
【運動療法】 水中歩行や水泳などで股関節周囲の筋力増強を行います。
【投  薬】 痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤の内服が有効です。
【手  術】 股関節の状態により、寛骨臼あるいは大腿骨の骨切り術や、変形が高度な場合には人工関節置換術を行うことがあります。

足底腱膜炎

■症状
長時間の立ち仕事や歩行により、かかとの内側前方に痛みが出ます。階段を上る際や、つま先立ちなどで痛みがさらに増します。
中年女性に多く、朝、起床して最初の1歩目に痛みを感じます。歩くうちに徐々に軽減し、夕方になって歩行量が増えるに従い、再び痛みが強くなってきます。
同様の症状は、スポーツ活動の際にもみられます。ランニングなどの開始時は痛みを強く感じますが、運動を続けるうちに徐々に軽快し、長時間になると再び痛みが強くなってきます。

■病態
足底腱膜炎は、繰り返し負荷がかかることにより足底腱膜とかかとの骨との付着部に微小外傷(小さな傷)や変性がおきることで痛みが生じる、腱・靭帯付着部症のひとつです。

■治療
 (1)理学療法:アキレス腱や足底腱膜のストレッチ
 (2)足底板装着
 (3)薬物療法

成人期偏平足

■症状
幼児の頃から足裏が平べったく、大人になってもそのまま残っているタイプの偏平足では、痛みはあまりありません。
これに対して、中年以降に発症する偏平足では内側のくるぶしの下が腫れ、痛みが生じます。
初期には足の偏平化は目立ちませんが、次第に変形が進みます。つま先立ちがしにくくなり、さらに進行すれば足が硬くなって歩行が障害されます。

■原因
足にはアーチ構造があり、効率よく体重を支えています。内側のくるぶしの下に、アーチをつり上げる働きをする後脛骨筋の腱が通っています。年齢による腱の変性や体重の負荷によって、この腱が断裂すればアーチは低下します。成人期の偏平足は女性に多く発症します。

■治療
 (1)アキレス腱のストレッチング
 (2)アーチサポート付きの足底板
 (3)重症例では手術が必要になることもあります。

骨粗鬆症

「骨粗鬆症」とは骨の量が減り、質も劣化して、骨の強度が低下して骨折をおこしやすくなった状態です。
骨粗鬆症になっても痛みはないのが普通です。しかし、ちょっとしたはずみで背骨が骨折したり、転んだときに手首、太もものつけ根などの骨折が生じやすくなります。骨折すると、その部位が痛くなり動けなくなります。
背骨が1つ、また1つとつぶれていくと、背中が丸くなったり、腰が曲がったりして歩きづらくなってきます。

■原因
骨の中では、古くなった骨が吸収されて、新しい骨が形成されることが繰り返されており、骨吸収が骨形成よりも盛んになると、骨がスカスカになってきます。
男性にもみられますが、女性に多く、主に閉経後のホルモンバランスの崩れによっておこります。

■診断
X線写真と骨密度測定で診断します。
骨密度を測るには、DXA法、超音波法、MD法などがあります。

■治療
薬には以下の種類があり、患者さんの状態に合わせて選択します。
骨吸収抑制剤、骨形成促進剤、ホルモン剤、各種ビタミン(D,K)剤など。

腰部脊柱管狭窄症

背骨には、脊柱管と呼ばれる管が縦に走っており、この中に脳から伸びた脊髄が通っています。脊柱管が何らかの原因で狭くなって、中にある神経が圧迫されることによっておこる病気です。
脊柱管の中の神経が圧迫された結果、歩いているうちに、殿部から足にかけて痛みやしびれを感じ、動けなくなります。しばらく休むとまた歩けるようになりますが、病状が進むと痛みなどを感じる間隔がみじかくなってきます。
これを間欠跛行(かんけつはこう)といいますが、これが特徴的です。

この病気では長い距離を続けて歩くことができません。
腰部脊柱管狭窄症では、腰痛はあまり強くなく、安静にしているときにはほとんど症状はありませんが、背筋を伸ばして立っていたり歩いたりすると、太ももやひざから下にしびれや痛みが出て歩きづらくなります。しかし、少し前かがみになったり、腰かけたりするとしびれや痛みは軽減されます。

■診断
単純X線(レントゲン)写真である程度は推測できますが、より詳しく診断するためにはMRI検査が必要となります。

■治療
保存的治療としては、リハビリテーション、コルセット、神経ブロックや脊髄の神経の血行を良くする薬で症状が改善することもあります。しかし、歩行障害が進行し、日常生活に支障が出てくる場合には手術で神経の圧迫を取り除くこともあります。

アキレス腱付着部症

■症状
アキレス腱とかかとの骨の付着部周辺に痛みがあらわれます。とくに、上向きに足首を曲げたときに強い痛みが生じます。進行すると、安静時にも痛みが続くようになります。

■病態
繰り返し負荷がかかることで、アキレス腱とかかとの骨との付着部に、変性が生じ痛みが生じる腱・靭帯付着部症のひとつです。

■治療
 (1)足底板装着
 (2)アキレス腱のストレッチ
 (3)薬物療法

変形性ひざ関節症

ひざ関節の中は、潤滑油の役割をもつ関節液で満たされており、ひざの動きをスムーズにしています。
ところが、加齢などにより、関節成分であるヒアルロン酸などが減少してくると、関節軟骨がすり減ってきたり、炎症が起こります。初期症状として、歩き始めや階段の上り下り、立ち上がるときなど動き始めるときにひざに痛みが生じます。
病気が進行すると、痛みはさらに強くなり、ひざがO脚に変形したり、ひざに水がたまったりします。これが変形性ひざ関節症です。
早めに適切な対処を行うことで、痛みをとるだけでなく、病気の進行を遅らせることが可能です。

肩腱板断裂

40才以上で男性(男62%、女38%)、右肩(右68%、左32%)に好発します。
肩の運動障害、運動痛、夜間痛を訴えますが、夜間痛で睡眠がとれないことが来院するいちばんの理由です。
運動痛はありますが、多くの患者さんは肩の挙上は可能です。五十肩と違うところは、拘縮、すなわち関節の動きが固くなることが少ないことです。
断裂の背景には、腱板が肩峰と上腕骨骨頭にはさまれているという解剖学的関係と、腱板の老化がありますので、中年以降の病気といえます。