症状の詳細

坐骨神経痛

ざこつしんけいつう

おしりから太ももにズキズキした痛みやしびれ

病名・症状
  • 体をかがめるとズキズキした痛みが強くなる
症状部分画像

坐骨神経は、人体の中で最も太い神経であり腰から出てお尻を通り太ももの裏側、ふくらはぎから足へとつながる長い神経です。
「坐骨神経痛」はこの坐骨神経が通っている場所に生じる痛みの総称です。
特にお尻から太ももの後ろ側に痛みが出る事が多くこの場所がちょうど坐骨にあたるため坐骨神経痛と言います。
このように坐骨神経痛は痛みに対する症状の名称であり原因の病名ではありません。

症状

• 臀部から太ももにかけてのズキズキした痛みやしびれが生じる。
• 夜間、痛くて仰向けに眠れない。
• 腰を反らすと下肢に痛みやピリピリしたしびれを感じる事がある。
• 臀部の痛みが強く、座り続ける事が困難。
• 歩くと下肢全体が痛くて長く歩けない。
• 体をかがめるとズキズキした痛みが強くなる
このような状態が1つでもある場合は、坐骨神経痛である可能性が疑われます。

原因となる病気

主な原因としては、腰椎椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、の脊椎の障害が挙げられます。
またお尻の筋肉によって坐骨神経が圧迫される「梨状筋症候群」や帯状疱疹ウイルスによって坐骨神経が侵されると強い痛みが生じる帯状疱疹などがあります。
特に梨状筋症候群は長時間坐り続けて坐骨神経が圧迫され原因になることが多いため長く座っていると痛みがひどくなり、歩くと楽になる特徴があります。

診断

腰椎レントゲン、MRIなどを施行し神経学的所見をとりながら検査を進めていきます。

治療

坐骨神経痛の治療は、保存的治療から始め、症状が改善しない場合、手術療法となることもあります。
保存的治療としては、鎮痛薬などの薬物療法やブロック療法などがあります。
また14回連続投与する点滴療法などもあります。

最近の保存的治療法について

最近痛みのメカニズム解明が進み、このメカニズムの中で効果を発揮する新しい治療薬が複数開発されて、非常に治療効果が上がるようになってきました。

最近の薬物治療薬

(1)NSAID(消炎鎮痛剤)急性期の痛みに対しは効果があります。神経障害生疼痛には効果は低い。
(2)プレガバリン神経障害性疼痛を合併する場合は効果的です。特に疼痛過敏状態の患者さんには有効です。
(3)デュロキセチン神経障害性疼痛には効果があります。プレガバリンで効果の少ない患者さんに有効なことがあります。長い期間痛みが継続して慢性的な痛みを生じ、痛みに対して過敏状態になった人はブレーキングシステムの改善により効果が認められます。
(4)トラマドール大脳と疼痛神経抑制系に作用し、強い痛みに対してNSA I Dと併用すると強い鎮痛効果を発揮します。また痛みが長い期間続き慢性的な痛みが認められる時も胃腸障害は少ないので安全に使用できます。

ブロック療法

(1)仙骨硬膜外ブロックうつ伏せの姿勢になってもらいお尻の仙骨部から薬を注入する方法です。一番簡単な方法で、ブロック後30分は休んでいってもらいます。あまり痛くありません。
(2)腰部硬膜外ブロック横向きの姿勢になってもらいできるだけ丸くなり腰部から薬を注入する方法です。ブロック後は1時間休んでいってもらいます。
(3)神経根ブロックレントゲン透視下にて神経の根元に直接薬を注入します。硬膜外ブロックでも効果がない人にもよく効きます。

手術法

(1)内視鏡下腰椎椎弓切除術
(2)内視鏡下腰椎椎体間固定術
(3)内視鏡下腰椎側方椎体間固定術