やきゅうひじ
病態
野球肘は使い過ぎによって生じます。少年では、肘関節周辺の骨がまだ成長過程であり、成長軟骨が残っています。筋肉や靭帯なども未成熟なので、基本的には手術適応となることは少なく、安静による保存療法が優先されます。内側型、外側型、後方型など様々な病態が混在しています。
野球肘の3つのタイプ
野球肘は、成長期の投球動作によって生じる肘関節の障害です。
野球肘の障害部位は、肘の外側型、内側型、後側型の3つのタイプに分けられます。
① 外側型
投球時、肘の外側が圧迫され、骨同士がぶつかり、上腕骨の先端にある上腕骨小頭の軟骨と骨が傷つきます。これが進展すると離断性骨軟骨炎となります。
② 内側型
肘の内側に痛みが生じる内側型が最も多く、投球時、内側が引っ張られて、骨軟骨、靱帯が引き伸ばされ生じます。
(1)内側上顆列離骨折
(2)内側骨端線損傷
(3)内側側副靭帯損傷などがあります。
特に内側上顆の骨端線は、他の部位と異なり、14〜18歳頃まで残っているので野球肘ではこの骨端線離開を起こしやすいです。
③ 後側型
(1) 肘が伸びた時、牽引力によって剥離骨折、疲労性骨折、肘頭骨端線損傷が生じます。
(2) 肘が伸びるとき、骨と骨の間に軟骨組織が挟まって生じる後方インピンジメント障害。
(3) 滑膜ヒダ障害(滑膜が骨に挟まり、痛みが生じる。)