症状の詳細

腰椎椎間板ヘルニア

ようついついかんばんへるにあ

腰から下肢にかけての激しい痛みや痺れ

病名・症状
  • 腰や臀部が痛み、足にしびれや痛みが走る
症状部分画像
  • 症状
  • 腰や臀部に痛みが生じ、下肢にしびれや痛みが放散したりします。また、足に力が入りにくくなり、筋力の低下が認められる場合もあります。痛みが強い場合には、夜間痛を生じることもあります。
  • 原因
  • 椎間板は、線維輪と髄核とでできていて、クッションの役目をしています。その一部が出てきて。神経を圧迫して症状が出ます。
  • 診断
  • 下肢進展挙上試験や神経学的所見を見ながら診断します。さらにX線撮影、MRIなどの検査を行い、診断を確定します。
  • 治療
  • 消炎鎮痛剤の内服、神経ブロックなどの保存的治療で痛みを和らげます。痛みが軽減しない場合は手術適応になることもあります。手術については、最近は内視鏡を用いた低侵襲手術が広く行われるようになってきています。

    ・最近の保存的治療について
    最近痛みのメカニズム解明が進み、このメカニズムの中で効果を発揮する新しい痛み治療薬が複数開発されてきました。この新しい治療薬で非常に腰痛病態の治療効果が上がるようになりました。効果的な薬物療法により、手術が必要と思われた患者さんの痛みが大幅に軽減し、手術なしで改善に至るケースが多数出てきました。次に最近の薬物の特徴とブロックの説明をします。

    (1)最近の薬物の特徴
    ① NSAID(消炎鎮痛剤)
    急性期には効果があります。神経障害性疼痛を呈する疼痛には効果は低い。
    ② プレガバリン
    神経障害性疼痛を合併する場合は、効果的です。特に、疼痛過敏状態の患者さんには有効です。
    ③ デュロキセチン
    神経障害性疼痛には効果があります。プレガバリンで効果の少ない患者さんに有効なことがあります。
    ④ トラマドール
    ヘルニアの強い痛みに対して、NSAIDと併用すると強い鎮痛効果を発揮します。

    (2)ブロック
    ① 硬膜外ブロック
    ② 仙骨ブロック
    ③ 神経根ブロック
    硬膜外ブロック、仙骨ブロックなどで効果が認められないときは神経根ブロックを施行します。神経根ブロックはヘルニアによる下肢症状に対して顕著に効果が認められることが多いです。