症状の詳細

腰部脊柱管狭窄症

ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう

長く歩けない、休み休みなら歩ける

病名・症状
  • 腰、お尻から膝の裏側に痛みやしびれ、下肢の痛み及びしびれ
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症状

脊柱管が狭くなり、下肢のしびれや痛みなどが生じてきます。2~300メートル歩いただけでも痛みやしびれといった症状が生じてくるため、続けて長い距離を歩くことが困難となってきます。しかししばらく休息し、前かがみの前屈姿勢をとってあげると、脊柱管が広がり楽になり、また歩けるようになります。このように、歩行と休息を繰り返す状態を「間欠性跛行」といい、この病気の特徴的な症状です。腰を前かがみにしていると、脊柱管が広がり、神経の圧迫は生じないため、歩行は困難ですが、自転車等は前屈姿勢をとるため楽に乗れます。また進行すると下肢の筋力が落ちたり、尿の出が悪くなって尿漏れなどが生じる膀胱直腸障害を認めたりすることもありますので注意が必要です。このような症状が出現すると、馬尾神経の圧迫が顕著のため手術が必要になる場合もあります。

病態

背骨の中の神経の通り道を脊柱管といいます。年を取ると背骨が変形し、椎間板の変性や靱帯の肥厚などが生じ、脊柱管が狭くなり、その中を通っている馬尾神経が圧迫されます。馬尾神経は、下肢の神経をコントロールしている神経なので、神経が圧迫されると下肢の痛みやしびれが生じてきます。椎間板ヘルニアに比べると中高年に発症することが多いです。

病態

下肢の筋力、知覚所見などといった神経学的所見及びMRI検査による神経圧迫の状態を精査します。特に間欠性跛行が顕著な場合は、MRI検査は必須です。

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治療

① 保存的治療
症状には、神経の圧迫だけでなく、神経周囲の血流障害が出ますので、血管を広げ、血流を増やす薬を使用します。またPGE₁ 14回投与(注射)という点滴療法もあり、効果があります。手術を勧められた人は、手術前に保存的治療として一度試してもよいと思います。
② 神経ブロック療法
③ 手術療法
④ 痛みが著名な場合や難治例に対してステロイド注射。

院長からの一言

手術を勧められた人は、手術前の保存的治療として、一度、PGE₁(注射)という点滴療法をお勧めします。